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建設業許可を持ったまま法人成りする|事前認可なら、空白の日を作らずに済む

個人事業主 法人成り 許認可 公開 2026年9月1日 最終更新 2026年9月1日 運営者:サイト運営事務局 本文 約6,136字

建設業許可を持って会社設立をする方へ

個人事業主として建設業許可を受けていて、これから法人成りをしようとしている方に向けたページです。許可がどうなるのかを、先に確かめておきたいという場面のためのものです。

取り直さずに済む道があります。 事業承継等の認可という制度で、個人事業主から法人への事業の全部譲渡、いわゆる法人成りも対象に含まれます。

ただし「あらかじめ」認可を受けることが条件です。会社設立を先に済ませて事業を移してからでは、この制度は使えません。順番がすべてです。

承継の制度がなかった頃と、いまの違い

承継の制度がなかった頃と、いまの違いを表したイラスト
令和2年10月から、承継できるようになりました

まず、この制度がいつからのものかを押さえておきます。

建設業法に承継の規定が設けられたのは令和2年10月からです。それ以前は、個人事業主が法人成りをする場合、個人の許可を廃業して法人で新規の許可を取るしかありませんでした。

新規で取り直すとなると、審査に時間がかかります。その間、法人としては許可がない状態です。会社設立をして事業を移していれば、営業できません。

だから以前は、許可を持った個人事業主が法人成りをするのは、それだけで難しい話でした。工事を止められない事業では、踏み切れないという判断もありました。

いまは、あらかじめ認可を受けることで、建設業者としての地位を承継できます。空白期間を作らずに法人へ移れるということです。

対象になるのは、事業譲渡、合併、分割、そして相続です。このうち事業譲渡には、建設業に関する事業の全部譲渡として、個人事業主から法人への法人成りが含まれます。

会社設立を検討している個人事業主にとって、これはかなり大きな変化です。許可を理由に法人成りをためらう必要が薄くなりました。

ただし、制度を使うには条件があります。次で見ます。

出典建設業許可は承継できる!法人成り・相続など事例ごとに手続き方法を解説 – 建設業許可の手続・流れ・申請書類を解説・無料相談|VSG行政書士法人 (VSG行政書士法人/2026年9月1日確認)

条件は「あらかじめ」——ここを外すと使えない

条件は「あらかじめ」——ここを外すと使えないを表したイラスト
移す前に、認可を受けておきます

この制度でいちばん重要なのが、認可を受ける時点です。

建設業法の規定は、あらかじめ譲渡及び譲受けについて認可を受けたときは地位を承継する、という組み立てになっています。認可があって初めて承継の効力が生じるということです。

つまり、事業を法人へ移してしまってからでは遅い。移す前に認可を受けている必要があります。

相続の場合だけは例外的な扱いがあり、被相続人の死亡後30日以内に申請して認可を受ける形になります。死亡は予定できないので、後から追いかける仕組みになっているわけです。

法人成りは予定して行うものなので、この例外は使えません。会社設立の日程を、認可が下りる時期に合わせて組むことになります。

ここを勘違いして、先に法人へ事業を移してから相談に行くと、承継の制度は使えないと言われます。そうなると新規で取り直すしかなく、その間の空白は避けられません。

個人事業主として工事を請けている方にとって、これは死活問題です。工期の途中で許可が切れることになりかねません。

だから、法人成りを考え始めた段階で、まず都道府県の建設業担当課に相談してください。会社設立の登記より前の話です。

事前認可を使う場合の順番
認可が下りるまで、事業は個人のままです

順番を守れば、営業が止まる日は生まれません。

出典【建設業許可の承継認可】個人事業主が法人成りする時に許可を引き継ぐ方法 (行政書士事務所/2026年9月1日確認)

承継すると、許可はどうなるか

承継すると、許可はどうなるかを表したイラスト
営業してきた期間が、そのまま続きます

認可を受けると、法人は個人事業主の建設業者としての地位を承継します。

大きいのは、許可を受けていた期間の扱いです。新規で取り直すと、そこで実績がいったん切れます。承継なら、個人事業主として営業してきた期間が法人に引き継がれます。

この期間は、公共工事の入札参加資格や経営事項審査の評価に効いてきます。営業年数が短いと点数が下がる仕組みがあるからです。

個人事業主として何年も積み上げてきた実績を、会社設立でゼロに戻さずに済む。これが承継制度のいちばんの価値です。

それから、許可の有効期間も引き継がれます。新規で取り直せばそこから5年ですが、承継なら元の許可の残りの期間が続きます。

この点は見方が分かれます。残りが短ければ、すぐ更新の手続きが来るということでもあります。承継の直後に更新が重なる場合は、そのつもりで準備してください。

なお、許可番号の扱いは制度と自治体の運用によります。相談の段階で、番号がどうなるかも確かめておくと、掲示物や契約書の直し方が読めます。

いずれにしても、法人成りをしても許可を持った事業者として続けられる。取引先への説明もしやすくなります。

出典法人成り時の建設業許可|事業承継認可と新規申請 | 行政書士 植松悠一郎 事務所 (行政書士植松悠一郎事務所/2026年9月1日確認)

法人として、許可の要件を満たせるか

法人として、許可の要件を満たせるかを表したイラスト
承継でも、要件は法人として満たします

承継といっても、無条件に認められるわけではありません。譲り受ける法人が建設業許可の要件を満たしている必要があります。

要件のうち人に関するものは2つあります。経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有すること、そして営業所ごとに専任の技術者を置くことです。

個人事業主のときは、自分がその両方を担っていました。法人成りをすると、その人が法人の常勤の役員または使用人としてどう位置づくかが問われます。

一人社長の会社なら、自分が代表取締役として常勤し、専任技術者も兼ねる形が一般的です。ただし、営業所が複数になる場合は、それぞれに専任技術者が要ります。

財産的基礎の要件もあります。一般建設業と特定建設業で水準が違い、特定建設業のほうがかなり厳しくなっています。

会社設立のときに資本金をいくらに置くかが、ここに効いてきます。低くしすぎると要件を満たせないことがあるので、許可の要件から逆算して決めてください。

それから、欠格要件は役員全員が対象です。個人事業主のときは自分だけを見ればよかったところが、家族を役員にすると範囲が広がります。

社会保険への加入も確かめられます。会社設立をすれば厚生年金と健康保険に入ることになるので、その手続きも並行して進めます。

つまり、承継の認可申請は新規申請と同じくらいの資料を求められると思っておいてください。楽なのは空白が生まれないことであって、書類が減るわけではありません。

出典建設業許可の法人成り手続き|個人事業主から法人へ引き継ぐ方法・事前認可・注意点【東京都】 – 行政書士萩本昌史事務所ブログ (行政書士萩本昌史事務所/2026年9月1日確認)

定款の事業目的と、資本金の決め方

定款の事業目的と、資本金の決め方を表したイラスト
定款・資本金・本店・役員を、先に固めます

会社設立の設計そのものが、許可に縛られます。定款を作る前に決めておくことを挙げます。

まず事業目的です。建設業の許可を受けようとする業種が、定款の目的に入っている必要があります。土木工事業、建築工事業、内装仕上工事業といった業種の名称に沿った書き方をします。

入っていなければ、目的を追加する変更登記が要ります。会社設立の直後にこれをやるのは時間の無駄なので、認証の前に担当課か行政書士に確かめてください。

次に資本金です。財産的基礎の要件を満たす水準に置きます。ただし、資本金を1,000万円以上にすると消費税の免税が使えなくなるので、そことのバランスを見ます。

本店の所在地も関係します。営業所をどこに置くかで、知事許可か大臣許可かが分かれます。複数の都道府県に営業所を置くなら大臣許可です。

役員構成も先に決めます。欠格要件に当たる人がいないか、常勤の要件を満たせるかを確かめてから、誰を役員にするかを決めます。

決算期も、繁忙期を避けて置くと決算作業が楽になります。建設業は年度末に工事が集中しやすいので、3月決算を避ける選び方もあります。

こうして並べると、会社設立の主要な項目のほとんどが許可の話とつながっていることが分かります。

個人事業主のときは、こうした前提を気にせず事業を始められました。法人成りをすると、決める順番そのものが変わります。

出典業種別記載例付!会社設立時の事業目的の書き方をわかりやすく解説 (H&T税理士法人/2026年9月1日確認)

新規で取り直す道と、比べる

新規で取り直す道と、比べるを表したイラスト
工事が続いているなら、承継が向きます

承継の制度があるからといって、必ずそれを選ぶべきとは限りません。新規で取り直す道と比べておきます。

建設業許可を法人へ移す2つの道
項目 事業承継等の認可 新規の許可申請
営業の空白 認可を受ければ生まれない 許可が下りるまでの間に生まれる
営業してきた期間 個人事業主の期間を引き継ぐ 法人として一からになる
許可の有効期間 元の許可の残りが続く 認可の日から5年
手続きの時点 事業を移す前に、あらかじめ 法人設立の登記のあとに
個人事業の扱い 事業の全部を譲渡する 廃業して、法人で新規に取る
向く場面 工事を止められない、実績を残したい 一度整理したい、譲渡の要件に合わない

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扱いは都道府県によって運用が異なることがあります。実際の判断は所管の担当課か行政書士にご確認ください。

承継が向くのは、継続中の工事があり、営業を止められない場合です。それから、個人事業主として長く営業してきて、その期間を評価に使いたい場合。

新規が向くのは、事業の一部だけを法人に移したい場合です。承継の対象は建設業に関する事業の全部譲渡なので、一部だけを残す形とは合いません。

それから、個人事業主として持っていた許可の業種を減らしたい場合。承継すると、そのままの形で引き継ぐことになります。

会社設立の時期に余裕があって、しばらく個人事業主として営業を続けられるなら、新規で取り直すという選び方もあります。段取りは単純です。

どちらにしても、事前に担当課へ相談するところから始まります。自分の状況を説明して、どちらが使えるかを確かめてください。

出典建設業許可は承継できる!法人成り・相続など事例ごとに手続き方法を解説 – 建設業許可の手続・流れ・申請書類を解説・無料相談|VSG行政書士法人 (VSG行政書士法人/2026年9月1日確認)

会社設立そのものより、法人成りしたあとの設計で差がつきます

個人事業主のうちに決めておくこと(役員報酬・決算期・社会保険の入り方)は、あとから直すと手間もお金もかかります。法人成りの前後をまとめて見てくれる相手に、いちど当ててみるのが早道です。

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認可のあとに残る手続き

認可のあとに残る手続きを表したイラスト
許可票も契約も、切り替えます

認可が下りたら、周辺の手続きが残ります。

まず建設業の許可票です。営業所と工事現場に掲げるもので、商号と許可番号が入っています。法人名義に差し替えます。

次に契約です。継続中の工事の請負契約は、発注者の同意を得たうえで法人名義に切り替えることになります。ここは相手のある話なので、早めに話を通してください。

下請の契約も同じです。個人事業主として結んでいたものを、法人として結び直します。

それから、経営事項審査を受けている場合は、その手続きも要ります。入札参加資格の登録をしている自治体があれば、そちらにも変更の届出をします。

建設業の許可以外の登録、たとえば解体工事業の登録や電気工事業の届出などがあれば、それぞれ所管の窓口で確かめてください。承継の仕組みがあるとは限りません。

税務署への届出、社会保険の手続き、銀行口座の開設。会社設立に共通する手続きも、並行して進めます。

個人事業主の側では、廃業届と青色申告の取りやめ届出書を出します。事業の全部を譲渡しているので、個人事業は終わります。

認可はゴールではなく、切り替えの起点です。前後の段取りをリストにしておいてください。

出典法人成りしたらやることリスト!手続きの仕方や必要書類も解説 | 会社設立の基礎知識 – 小谷野税理士法人 (小谷野税理士法人/2026年9月1日確認)

相談は、どこへ持っていくか

相談は、どこへ持っていくかを表したイラスト
まず担当課の手引きを読んでください

相談先を整理しておきます。

制度の運用については、許可を出している行政庁です。知事許可なら都道府県の建設業担当課、大臣許可なら地方整備局。ここが一次情報です。

手引きを公開している自治体が多くあります。承継の手引きという形で、必要書類と流れがまとめられています。まずこれを読んでください。

そのうえで、書類を作る段階では行政書士に頼む方が多くいます。承継の認可申請は資料が多く、事業譲渡契約書の作り方にも注意が要るからです。

会社設立の登記そのものは司法書士の領分です。定款の事業目的を許可に合わせる部分で、行政書士と司法書士の話がつながります。

税務や社会保険は税理士と社会保険労務士。法人成りは、複数の専門家が関わる場面になりやすい。

だから、早く動くほど選択肢が広がります。会社設立の日を決めてから相談すると、その日程に合わせられないことがあります。

個人事業主として工事を請け負いながら準備を進めることになるので、時間の余裕を持ってください。認可の審査にかかる期間は自治体によって差があります。

目安を聞いておけば、会社設立の日程を現実的に組めます。

出典法人成り時の建設業許可|事業承継認可と新規申請 | 行政書士 植松悠一郎 事務所 (行政書士植松悠一郎事務所/2026年9月1日確認)

まとめ|先に認可、あとから事業

まとめ|先に認可、あとから事業を表したイラスト
相談から始めて、認可を待ってから動きます

建設業許可には事業承継等の認可という制度があり、個人事業主が会社設立をして事業の全部を法人へ譲渡する場面でも使えます。

  • 条件あらかじめ認可を受けること。事業を移してからでは使えません
  • 効果建設業者としての地位を承継。営業してきた期間も引き継がれます
  • 要件経営業務の管理体制、専任技術者、財産的基礎。法人として満たします
  • 会社設立の設計定款の事業目的、資本金、本店、役員構成を許可から逆算します

いちばん大事なのは順番です。相談 → 定款 → 登記 → 事業譲渡契約 → 認可申請 → 認可 → 事業の移管。この流れなら、営業が止まる日は生まれません。

承継が向かない場面もあります。事業の一部だけを法人に移したい場合や、許可の業種を整理したい場合は、新規で取り直すほうが素直です。

認可が下りたあとも、許可票の差し替え、契約の名義変更、経営事項審査や入札参加資格の手続きが残ります。ここまで含めて日程を組んでください。

ここに書いた内容は2026年9月時点の制度にもとづくものです。運用は都道府県によって異なります。動く前に、必ず所管の担当課か行政書士にご確認ください。

出典【建設業許可の承継認可】個人事業主が法人成りする時に許可を引き継ぐ方法 (行政書士事務所/2026年9月1日確認)

会社設立の日を決める前に、担当課の手引きを読んでください

承継の認可は、あらかじめ受けることが条件です。法人成りを済ませてからでは使えません。ここだけは、動き出す前に確かめてください。

個人事業主として営業してきた期間が、そのまま法人に引き継がれます。経営事項審査や入札参加資格を意識している方には、取り直しとの差が大きく出ます。

定款の事業目的、資本金、役員構成。会社設立の設計そのものが許可の要件に縛られます。組み立てに迷う部分は、建設業に詳しい行政書士か所管の担当課にご相談ください。

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個人事業主の会社設立と法人成りについて、国税庁・法務局・日本年金機構などの一次情報を確かめながらまとめています。記事の内容は執筆時点の制度にもとづく一般的な解説です。個別の判断は税理士など専門家と、所管の官庁にご確認ください。

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