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法人成りしたら税理士は必要か|自分で申告してきた個人事業主が迷うところ

個人事業主 法人成り 税理士 公開 2026年9月2日 最終更新 2026年9月2日 運営者:サイト運営事務局 本文 約6,082字

自分で申告してきた方へ

個人事業主として毎年自分で確定申告をしてきた方が、会社設立をしたあとも自分でやれるのかを確かめたい、という場面のためのページです。

できます。ただし、同じ感覚では進みません。 法人の決算は個人の確定申告とは作る書類の種類も量も違います。

頼むかどうかは、費用と時間と失敗のリスクを並べて決める話です。判断の材料を順に出していきます。

法人の決算は、自分でやってもよい

法人の決算は、自分でやってもよいを表したイラスト
頼むかどうかは、費用対効果の話です

最初に事実を確かめます。法人の決算書や申告書を、税理士でなければ作ってはいけないというルールはありません。

会社が自分で作って、自分で提出する。これは適法です。だから、会社設立をしたら必ず税理士を頼まなければならない、ということはありません。

税理士法で税理士だけができるとされているのは、他人の依頼を受けて行う場合の話です。税務代理、税務書類の作成、税務相談の3つが税理士業務とされています。

自分の会社の申告を自分でするのは、他人の依頼を受けているわけではないので、この制限にかかりません。

だから、会社設立をしたあと頼むかどうかは費用対効果の判断です。義務ではありません。

個人事業主として自分で確定申告をしてきた方なら、会計の基本は分かっているはずです。仕訳を切り、帳簿をつけ、決算書を作る。この流れは変わりません。

ただし、法人成りをすると作る書類が増えます。そこが判断の分かれ目になります。

法人成りをした直後は、この判断そのものが難しい。何がどれだけ大変なのかが、やってみるまで分からないからです。個人事業主のときの感覚では測れません。

何がどれだけ増えるのかを、次で見ます。

出典法人決算を自分でやる方法や必要書類、メリット・デメリットを解説 – 経理お役立ち情報 – 弥生株式会社【公式】 (弥生株式会社/2026年9月2日確認)

個人の申告と、法人の決算は別物

個人の申告と、法人の決算は別物を表したイラスト
別表という新しい様式が出てきます

個人事業主のときに作っていたものを思い出してください。青色申告決算書と確定申告書。会計ソフトを使えば、ほぼ自動で出てきました。

法人になると、まず決算書を作ります。貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、個別注記表。会社法にもとづく書類です。

次に法人税の申告書です。別表という様式を組み合わせて作ります。別表一が本体で、所得の計算を示す別表四、税額の計算を示す別表五などがつきます。

この別表というのが、個人事業主のときには存在しなかったものです。会計上の利益から税務上の所得へ、差を調整していく過程を書き表す様式です。

たとえば、会計では費用にしたが税務では損金にならないもの。役員報酬の一部、交際費の一部、引当金の繰入額など。これらを別表で加算します。

さらに、勘定科目内訳明細書と法人事業概況説明書を添えます。取引先ごとの売掛金や買掛金の内訳を書くもので、これも新しい書類です。

そして、地方税の申告が別にあります。都道府県税事務所と市町村へ、それぞれ様式を作って出します。

個人の確定申告と、法人の決算
会社設立をすると、作業の量が変わります

法人成りをしたばかりの会社なら取引の数は少ないので、決算書そのものは単純です。難しいのは別表のほうで、ここは取引の多さとは別に、判断の知識が要ります。

これを見て、自分でやれると思うかどうかが最初の判断です。

出典法人決算は自分でできる?税理士なしでの流れや必要書類について解説 | 経営者から担当者にまで役立つバックオフィス基礎知識 | クラウド会計ソフト freee (フリー株式会社/2026年9月2日確認)

会計ソフトがどこまでやってくれるか

会計ソフトがどこまでやってくれるかを表したイラスト
判断の部分は、人が残ります

会計ソフトを使えば、かなりの部分は自動化できます。ただ、どこまで対応しているかは製品によります。

決算書までは、法人向けの会計ソフトならたいてい作れます。仕訳を入れていけば、貸借対照表と損益計算書は出てきます。

問題は法人税の申告書です。別表の作成に対応しているソフトと、していないソフトがあります。

個人事業主のときに使っていたソフトの法人版が、申告書まで作れるとは限りません。会社設立の準備をしている段階で確かめてください。

申告書の作成に対応した製品もあります。決算書から数字を引き継いで別表を組み立てる形です。

ただし、どの項目をどの別表に載せるかの判断は、ソフトが代わりにしてくれるわけではありません。役員報酬が損金になるかどうかといった判断は、人がします。

だから、ソフトがあれば大丈夫とは言えません。判断の部分が残ります。

地方税の申告書についても、対応しているかを確かめてください。国税だけ作れても、そちらが残ります。

会社設立のときにソフトを選ぶなら、ここまで見て決めてください。あとから乗り換えるのは手間です。

法人成りをした直後は無料の期間があるソフトも多いので、その間に別表まで試してみると判断がつきます。実際に画面を触ってみないと、対応の範囲は分かりません。

出典法人決算は自分でできる?税理士なしで進める手順や判断基準について解説 – バクラク (LayerX/2026年9月2日確認)

時間で考えてみる

時間で考えてみるを表したイラスト
初年度がいちばん、時間を取られます

費用の話の前に、時間で考えてみます。

自分でやるということは、その時間を自分が使うということです。決算書を作り、別表を組み立て、地方税の申告書も作る。

初めてなら、調べながら進めることになります。別表の書き方を調べ、判断に迷えばまた調べる。何日もかかることがあります。

2回目からは早くなります。前年の申告書があるので、それを見ながら同じように作ればよい。

だから、初年度がいちばん重い。会社設立の第1期は、そもそも経理の仕組みも整っていない時期です。会社設立から決算までの期間が短いことも多く、準備の時間も取りにくい。

その時間を本業に使えばいくら稼げるか。ここを計算すると、頼むかどうかの判断がつきやすくなります。

時間単価が高い事業なら、頼んだほうが得です。逆に、閑散期があって時間に余裕があるなら、自分でやる価値もあります。

個人事業主のときは、確定申告に数日かければ終わっていたはずです。法人になると、その数倍を見込んでください。

それから、決算の期限は決算日の翌日から2か月以内です。この期間に他の仕事もこなす必要があります。

法人成りをした年は、これに加えて個人事業主としての最後の確定申告も並びます。会社設立をした年だけは、申告が2つ重なるということです。

出典自分で行う法人の確定申告と決算 – 税理士なしで可能か? | 法人決算申告・決算代行の法人決算オンライン (法人決算オンライン/2026年9月2日確認)

費用の相場を知っておく

費用の相場を知っておくを表したイラスト
決算だけを頼む形もあります

頼む場合の費用を見ておきます。相場には幅がありますが、構造は共通しています。

多くの場合、毎月の顧問料と、年に一度の決算料に分かれます。顧問料は相談や日常のやりとりに対するもの、決算料は決算と申告に対するものです。

法人の顧問料は月3万円から5万円という水準がよく挙げられます。個人事業主向けはそれより低く、月1万円から3万円という目安です。

決算料は、顧問料の4か月から6か月分といった決め方をする事務所が多くあります。年商の規模で変わる料金表を出しているところもあります。

記帳を任せるかどうかでも変わります。自分で入力して、チェックだけしてもらう形なら安くなる。丸ごと任せれば高くなる。

給与計算や年末調整を頼めば、そこも別途かかります。従業員がいるかどうかで、必要な範囲が変わります。

それから、決算だけを依頼するという契約もあります。顧問契約を結ばず、年に一度の決算と申告だけを頼む形です。

会社設立の直後で資金が薄いなら、この形から始めるのも現実的です。会社設立の1期目だけ決算を頼み、事業が育ってから顧問契約に切り替えればよい。

金額は事務所によってかなり違います。複数から見積もりを取って比べてください。

それから、法人成りの手続きそのものを支援してもらう費用が別にかかることがあります。会社設立の届出や、個人事業主側の廃業手続きを含めるかどうかで見積もりが変わります。

出典税理士の費用は毎月いくらかかる?顧問料の相場や安く抑えるポイントを解説 | 会社設立の基礎知識 – 小谷野税理士法人 (小谷野税理士法人/2026年9月2日確認)

会社設立そのものより、法人成りしたあとの設計で差がつきます

個人事業主のうちに決めておくこと(役員報酬・決算期・社会保険の入り方)は、あとから直すと手間もお金もかかります。法人成りの前後をまとめて見てくれる相手に、いちど当ててみるのが早道です。

無料で相談してみる

※ 当サイトは会計事務所SoVaの「士業伴走プラン」を紹介しています。同プランの設立サポートは freee会社設立 を利用する前提で、設立サポート手数料0円は顧問契約(月1.5万円〜)とあわせて依頼する場合の条件です。当サイトは一般的な解説であり、法人成りの判断や個別の税務は税理士などの専門家にご相談ください。最新の料金・条件は必ず公式ページでご確認ください。

失敗したときのコスト

失敗したときのコストを表したイラスト
取り損ねた分は、戻せません

自分でやる場合、間違えたときのコストも考える必要があります。

申告した内容が誤っていて、あとで修正することになれば、不足していた税額に加えて過少申告加算税や延滞税がかかります。

税務調査で指摘されれば、その対応にも時間を取られます。過去の資料を探し、説明を用意する。本業が止まります。

それから、取り損ねる可能性です。使える制度を知らずに申告すると、払わなくてよい税を払うことになります。

たとえば、少額減価償却資産の特例、中古資産の耐用年数の簡便法、欠損金の繰越控除。どれも要件があり、知らなければ使えません。

会社設立の初年度は、こうした論点が集中します。会社設立に伴って個人事業主から引き継いだ資産の処理、開業費の扱い、役員報酬の設計。

この年に取り損ねたものは、あとから戻せないことがあります。中古資産の耐用年数の算定は、事業の用に供した事業年度でしかできません。

だから、初年度だけは頼むという選び方に合理性があります。2期目以降は前年の申告書を見ながら自分で、という進め方です。

費用を惜しんで大きく取り損ねるのは、いちばんもったいない。

個人事業主のときも同じ理屈でしたが、法人成りをすると論点の数が増えるぶん、取り損ねる可能性も上がります。会社設立の直後はとくにそうです。

出典法人決算は税理士なしでもいい?会社の申告を自分で行う方法と注意点 | 会社設立の基礎知識 – 小谷野税理士法人 (小谷野税理士法人/2026年9月2日確認)

頼むかどうかの分かれ目

頼むかどうかの分かれ目を表したイラスト
初年度だけ頼む、という選び方もあります

ここまでを踏まえて、判断の目安を整理します。

自分でやりやすいのは、取引が少なく、従業員がいない一人社長の会社です。会社設立をしたばかりで仕訳の数が少なければ、決算も単純になります。

逆に頼んだほうがよいのは、従業員がいる場合、資産の引継ぎがある場合、消費税の判定が微妙な場合。論点が増えるほど、判断を誤る場面も増えます。

それから、融資を受ける予定があるなら、決算書の見え方が重要になります。税理士がついていること自体が、金融機関への信用にもなります。

時間単価の高い事業をしているなら、頼むほうが合理的です。逆に、時間に余裕があって勉強も苦にならないなら、自分でやる価値があります。

頼むかどうかの目安
自分がどこに当てはまるかで、選び方が変わります

この4つのどこに当てはまるかで、選び方が決まります。

会社設立の直後は判断材料が少ないので、まず相談だけしてみるという手もあります。初回の面談は無料としている事務所も多くあります。

相談の場で、自分でやる場合にどこが難しいかを聞いてみてください。法人成りの事例を多く見ている税理士なら、具体的に教えてくれます。

出典法人化(会社設立)の税理士費用はいくら?頼むタイミング・相場・選び方を大阪の税理士が解説 (かに税理士事務所/2026年9月2日確認)

依頼する範囲を決める

依頼する範囲を決めるを表したイラスト
記帳を誰がやるかで、費用が動きます

頼むと決めた場合、どこまで任せるかを決めます。ここで費用が大きく変わります。

いちばん軽いのが、決算と申告だけを依頼する形です。会社設立のあとも日常の記帳は自分でやり、年に一度まとめて見てもらう。

次が、記帳は自分でやって、月に一度チェックしてもらう形です。間違いを早く見つけられるので、決算のときに慌てません。

記帳代行を頼めば、領収書や通帳を渡すだけで済みます。時間は買えますが、そのぶん費用がかかります。

給与計算と年末調整も、頼める範囲です。従業員がいる場合、この作業は毎月と年末に確実に発生します。

会社設立をしたばかりで取引が少ないうちは、記帳を自分でやるのが現実的です。件数が増えてきたら代行に切り替える。

個人事業主のときに会計ソフトで記帳してきたなら、その延長で法人の記帳もできます。仕訳の考え方は同じです。

違うのは、役員報酬や社会保険料といった新しい科目が出てくることと、月次で締める必要があることです。

だから、記帳の方法だけを教えてもらって、あとは自分でやるという頼み方もあります。会社設立から最初の数か月だけ手厚く見てもらう形です。

個人事業主のときから記帳を続けてきた方なら、法人成りの初期に勘定科目の立て方だけ教わればあとは回せます。そこまで見越して範囲を決めてください。

出典記帳代行とは?税理士丸投げ時の費用相場や依頼先の選び方 (永安栄棟公認会計士・税理士事務所/2026年9月2日確認)

まとめ|義務ではないが、初年度は重い

まとめ|義務ではないが、初年度は重いを表したイラスト
必要なところだけ、頼んでください

個人事業主が法人成りをしたあと、法人の決算と申告を自分でやることは可能です。会社設立をしたら税理士に頼まなければならない、というルールはありません。

  • 増えるもの決算書に加えて法人税申告書の別表、勘定科目内訳明細書、地方税の申告書
  • 会計ソフト決算書までは作れても、別表に対応しているかは製品によります
  • 費用の相場法人の顧問料は月3万円から5万円という水準。決算料は顧問料の4〜6か月分という決め方が多い
  • リスク誤れば加算税と延滞税。使える制度を知らずに取り損ねることもあります

自分でやりやすいのは、取引が少なく従業員がいない一人社長の会社です。逆に、資産の引継ぎや消費税の判定がある場合は論点が増えます。

会社設立の初年度は、個人事業主から引き継いだ資産の処理や役員報酬の設計といった論点が集中します。この年だけ頼むという選び方には合理性があります。

依頼する範囲も選べます。決算だけ、月次のチェックだけ、記帳代行まで。費用は範囲で変わるので、必要なところだけ頼んでください。

金額は事務所によってかなり違います。複数から見積もりを取って、内訳を説明してもらってください。

ここに書いた相場は2026年9月時点の一般的な目安です。実際の料金と必要な範囲は、事務所と相談して決めてください。

出典自分で行う法人の確定申告と決算 – 税理士なしで可能か? | 法人決算申告・決算代行の法人決算オンライン (法人決算オンライン/2026年9月2日確認)

去年の確定申告に、何日かかりましたか

その数倍を見込んでください。法人の決算は、決算書に加えて法人税申告書の別表と地方税の申告書を作ります。個人事業主のときとは量が違います。

会社設立の初年度は論点が集中します。引き継いだ資産の処理や役員報酬の設計を誤ると、あとから戻せないものがあります。この年だけ頼むという選び方も現実的です。

依頼する範囲は選べます。決算だけ、月次のチェックだけ、記帳代行まで。まずは相談して、見積もりの内訳を説明してもらってください。

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個人事業主の会社設立と法人成りについて、国税庁・法務局・日本年金機構などの一次情報を確かめながらまとめています。記事の内容は執筆時点の制度にもとづく一般的な解説です。個別の判断は税理士など専門家と、所管の官庁にご確認ください。

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