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税理士に頼んだあと、何を渡して何を聞くか|法人成り1年目の付き合い方

個人事業主 法人成り 税理士 公開 2026年9月2日 最終更新 2026年9月2日 運営者:サイト運営事務局 本文 約5,947字

契約したあとの進め方を知りたい方へ

個人事業主から会社設立をして税理士と契約したものの、そのあと何をどう進めればよいか分からない。そういう場面のためのページです。

任せきりにすると、数字が読めなくなります。 経理を任せること自体は問題ありませんが、自分の会社の状態を把握できなくなると経営の判断ができません。

何を渡し、何を聞き、どこを自分で持つか。法人成り1年目の流れに沿って書きます。

最初に渡すもの

最初に渡すものを表したイラスト
個人事業主のときの資料が、中心になります

契約したら、まず資料を渡します。会社設立の直後は法人の資料がまだ少ないので、個人事業主のときのものが中心になります。

直近3期分の確定申告書と青色申告決算書。事業の規模と内容が、これで伝わります。

減価償却費の内訳も重要です。個人事業主のときに使っていた資産の取得年月と取得価額が書かれているので、法人に引き継ぐときの計算に使います。

それから、会社設立の書類です。登記事項証明書、定款、そして払込証明書。法人の基本の情報がここにあります。

借入があれば、その契約書と残高の分かるもの。債務引受をするかどうかの判断に必要です。

賃貸借契約書、リース契約書、保険証券。継続的に支払いが発生する契約は、一通り見てもらってください。

従業員がいるなら、雇用契約書と賃金台帳。社会保険や労働保険の状況も伝えます。

これらを最初にまとめて渡しておくと、あとで何度も聞かれずに済みます。会社設立の直後に一度、資料をそろえる日を作ってください。

法人成りの初回の面談は、この資料をそろえてから設定するほうが実りがあります。手ぶらで行くと、状況の確認だけで終わってしまいます。

個人事業主のときの資料が散らばっている方は、この機会に整理するとよい。

出典よい税理士の探し方|失敗しないポイントや選び方の注意点 – 税理士相談お役立ち情報 – 弥生株式会社【公式】 (弥生株式会社/2026年9月2日確認)

最初に決めること

最初に決めることを表したイラスト
期限のあるものから、片づけます

会社設立の直後には、期限のある判断がいくつもあります。ここを税理士と一緒に片づけます。

役員報酬の額です。事業年度開始の日から3か月以内に決めて、その後は事業年度中に動かせません。第1期は設立から3か月以内が目安になります。

生活費として毎月いくら要るか、法人にいくら残すか、社会保険料の負担がいくらになるか。この3つを並べて決めます。

次に、青色申告の承認申請です。設立の日以後3か月を経過した日と第1期の事業年度終了の日の、いずれか早い日の前日まで。

決算期をどこに置くかは、会社設立の定款を作る段階で決まっています。ただ、その決算期でよかったかを確かめてもらう価値はあります。

消費税の判定も初期に片づけます。第1期と第2期が免税になるか、インボイスの登録をするか。取引先の顔ぶれで判断が変わります。

それから、減価償却の方法の届出。法人は届け出なければ車両などは定率法が法定の方法になります。個人事業主のときの定額法とは逆です。

会社設立の直後に決めること
税理士と一緒に、この順で片づけます

法人成りに慣れている事務所なら、この一覧を向こうから出してくれます。出てこない場合は、こちらから期限を確かめてください。

これらを最初の面談で一覧にして、誰がいつまでに何をするかを決めてください。

出典法人化(会社設立)の税理士費用はいくら?頼むタイミング・相場・選び方を大阪の税理士が解説 (かに税理士事務所/2026年9月2日確認)

毎月の流れを作る

毎月の流れを作るを表したイラスト
決算から申告まで、2か月しかありません

初期設定が終わったら、毎月の流れを作ります。ここが法人成りでいちばん変わる部分かもしれません。

個人事業主のときは、年末にまとめて入力して3月に申告する、という進め方でも回っていました。法人ではそれが通用しません。

理由は、決算から申告までが2か月しかないからです。決算日が来てから1年分を入力していては間に合いません。

だから、月ごとに帳簿を締めます。売上を計上し、経費を入力し、通帳と残高を合わせる。この作業を毎月やります。

記帳を自分でやるなら、月末か翌月の初めに時間を取ってください。会計ソフトと法人口座を連携させておけば、入力の手間はかなり減ります。

記帳を任せるなら、資料を毎月渡します。通帳のコピー、領収書、請求書。渡す期限を決めておくと、事務所も動きやすい。

そして、月次の数字を見せてもらってください。今月の売上はいくらで、利益はどうか。これを見ていないと、決算のときに初めて数字を知ることになります。

会社設立の第1期は、この習慣を作る期間だと考えてください。2期目からは流すだけになります。

法人成りの直後は、この月次のリズムを作ることが最大の課題になります。ここができれば、決算はその積み重ねになります。

個人事業主のときに年1回で済んでいた方には負担に感じられますが、慣れれば月に数時間の作業です。

出典記帳代行とは?税理士丸投げ時の費用相場や依頼先の選び方 (永安栄棟公認会計士・税理士事務所/2026年9月2日確認)

数字を自分で読めるようにする

数字を自分で読めるようにするを表したイラスト
決算の1か月前に、着地を聞きます

経理を任せることと、数字を把握しないことは別です。ここを混同すると、経営の判断ができなくなります。

最低限、月ごとの売上と利益は把握してください。今月いくら売れて、いくら残ったか。

それから、現金がいくらあるか。利益が出ていても現金がなければ払えません。会社設立の直後は、この感覚がとくに重要です。

売掛金と買掛金の残高も見てください。売上が立っていても入金がまだなら、手元の資金は増えていません。

個人事業主のときは、通帳の残高を見ていれば感覚がつかめました。法人になると、入金と売上のずれが大きくなることがあります。

月次の資料を出してもらうなら、どの数字を見ればよいかを教えてもらってください。全部を理解する必要はありません。

そのうえで、決算が近づいたら着地の見込みを聞きます。今期はいくらの利益になりそうか、税金はいくらか。

これを決算の1か月前に聞ければ、まだ打てる手があります。決算が終わってから聞いても、できることはありません。

法人成りをした年は、個人事業主としての最後の申告も並びます。どちらの数字がどうなるかを、まとめて聞いておいてください。

会社設立の第1期は数字が読みにくい時期です。だからこそ、早めに聞く習慣をつけてください。

出典法人決算は自分でできる?税理士なしで進める手順や判断基準について解説 – バクラク (LayerX/2026年9月2日確認)

聞いてよいこと、聞くべきこと

聞いてよいこと、聞くべきことを表したイラスト
範囲が曖昧だと、抜けが出ます

顧問契約を結んでいるなら、相談は含まれているのが通常です。遠慮する必要はありません。

聞いてよいのは、この支出が経費になるか、この処理でよいか、といった日常の疑問です。判断に迷ったら、その場で聞くほうが早い。

あとから直すより、事前に確かめるほうが手間も少なくて済みます。個人事業主のときは自分で調べていた部分を、任せられるということです。

それから、来期の役員報酬をどうするか。事業年度が終わる前に相談しておくと、期首から3か月以内という期限に間に合います。

設備を買うかどうか、人を雇うかどうか。こうした判断も、税務の影響を聞いてから決めると失敗が減ります。

融資を受けたいなら、その相談もできます。決算書の見え方や事業計画の書き方について助言をもらえることがあります。

逆に、聞かないままにしがちなのが、いま自分が何を任せていて何を任せていないかです。範囲が曖昧だと、抜けが出ます。

会社設立の直後に一度、担当してもらう範囲を確かめてください。年末調整は含まれるのか、給与計算はどうか、社会保険の手続きは誰がやるのか。

法人成りの手続きが一段落するまでは、確かめることが次々に出てきます。まとめて聞く日を月に一度作るのも手です。

含まれていないものは、自分でやるか、別の専門家に頼むことになります。

出典「良い」税理士の探し方6つと見極めるポイントを解説 (H&T税理士法人/2026年9月2日確認)

会社設立そのものより、法人成りしたあとの設計で差がつきます

個人事業主のうちに決めておくこと(役員報酬・決算期・社会保険の入り方)は、あとから直すと手間もお金もかかります。法人成りの前後をまとめて見てくれる相手に、いちど当ててみるのが早道です。

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自分で持っておくもの

自分で持っておくものを表したイラスト
変えるときに、困らないように

任せても、自分で持っておくべきものがあります。

まず、決算書と申告書の控えです。毎期、必ず受け取ってファイルしてください。融資の相談や補助金の申請で使います。

それから、総勘定元帳などの帳簿。法定の保存期間があるので、事務所に預けたままにせず、自分の側にも置いておきます。

会計データも同じです。事務所のソフトで記帳してもらっている場合、データがどこにあるかを確かめてください。

契約書や領収書の原本は、自分の会社で保管します。事務所に預けるとしても、返してもらう時期を決めておく。

これらが手元にないと、税理士を変えるときに困ります。引き継ぎが滞ると、次の決算が進みません。

会社設立の直後に、保管の仕組みを作ってください。年度ごとにファイルを分けて、決算書と申告書を必ず綴じる。

個人事業主のときも同じでしたが、法人になると書類の種類が増えます。整理の仕組みがないと、すぐに散らかります。

電子で保存する場合は、要件を確かめてください。電子帳簿保存法の定めがあります。

法人成りを機に電子に切り替えるなら、個人事業主のときの紙の資料をどう扱うかも決めてください。移行期は両方が混ざります。

紙で残すか電子で残すかを、会社設立のときに決めておくと迷いません。

出典法人決算は税理士なしでもいい?会社の申告を自分で行う方法と注意点 | 会社設立の基礎知識 – 小谷野税理士法人 (小谷野税理士法人/2026年9月2日確認)

1年の流れを頭に入れる

1年の流れを頭に入れるを表したイラスト
どれを誰がやるかを、振り分けます

法人成りをすると、1年の中で決まった時期に来る作業があります。頭に入れておくと慌てません。

毎月あるのが、記帳と、源泉所得税の納付です。納期の特例を受けていれば、納付は年2回にまとめられます。

社会保険料の納付も毎月です。前月分を翌月末までに納めます。

年に一度あるのが、算定基礎届です。4月から6月の報酬をもとに、9月からの標準報酬月額を決めます。

労働保険の年度更新もあります。従業員がいる場合、前年度の確定保険料と当年度の概算保険料を申告して納めます。

年末には年末調整です。従業員と役員の所得税を精算し、源泉徴収票を作り、翌年1月末までに給与支払報告書と法定調書合計表を出します。

そして、決算です。決算日が来たら帳簿を締め、決算書を作り、決算日の翌日から2か月以内に申告と納税をします。

これらのうち、どれを税理士がやり、どれを自分がやるのか。会社設立の直後に振り分けてください。

個人事業主のときは、年に一度の確定申告だけでした。法人成りをすると、こうした作業が年間に散らばります。

法人成りの1年目にこの年間の流れを一度通せば、2年目からは同じ時期に同じことをするだけになります。

出典法人決算を自分でやる方法や必要書類、メリット・デメリットを解説 – 経理お役立ち情報 – 弥生株式会社【公式】 (弥生株式会社/2026年9月2日確認)

2期目以降の見直し

2期目以降の見直しを表したイラスト
年に一度、範囲と費用を確かめます

最後に、契約の見直しについて書いておきます。

会社設立の1期目に決めた契約の範囲が、そのままずっと合うとは限りません。事業が大きくなれば、必要なものが変わります。

従業員が増えれば、給与計算と年末調整の負担が増えます。そこを任せるなら、費用も変わる。

逆に、記帳に慣れて自分でできるようになったなら、記帳代行を外して費用を下げるという見直しもあります。

だから、年に一度は範囲と費用を確かめてください。決算が終わったあとが、その時期として自然です。

そのときに、この1年で何をしてもらったかを振り返ります。相談にどれだけ乗ってもらったか、判断でどれだけ助かったか。

見合っていないと感じるなら、範囲を減らすか、事務所を変えるかを検討します。ただし、決算の直前は避けてください。

それから、法人成りの直後にお願いしたことが一段落したら、次に必要になるのは別のことかもしれません。融資、事業承継、人の採用。

会社設立から数年経つと、相談したい内容が変わります。そのときに応えてもらえる相手かどうかも、見直しの観点です。

個人事業主のときから長く続けてきた事業なら、法人になってからの時間もこれから長くなります。付き合う相手は、そのつもりで選んでください。

出典【2026年版】税理士の顧問料・報酬相場はいくら?個人・法人の料金目安一覧と失敗しない選び方 (リーパル会計事務所/2026年9月2日確認)

まとめ|任せても、把握はする

まとめ|任せても、把握はするを表したイラスト
第1期で、形を作ってください

会社設立をして税理士と契約したら、最初に資料を渡し、期限のある判断を片づけ、毎月の流れを作ります。

  • 最初に渡すもの個人事業主のときの確定申告書3期分、減価償却費の内訳、会社設立の書類、契約書類
  • 最初に決めること役員報酬、青色申告の承認申請、消費税の判定、減価償却の方法
  • 毎月記帳を締めて、月次の数字を見る。決算から申告まで2か月しかありません
  • 決算の1か月前着地の見込みを聞く。終わってから聞いても打つ手はありません

経理を任せることと、数字を把握しないことは別です。売上、利益、現金、売掛金。この4つは自分で見てください。

決算書と申告書の控え、帳簿、契約書の原本は自分の側に置きます。税理士を変えるときに困らないためです。

年に一度、契約の範囲と費用を確かめてください。事業が変われば必要なものも変わります。

会社設立の第1期は、この形を作る期間です。ここで仕組みができれば、2期目からは流すだけになります。法人成りの負担がいちばん重いのは、この1年です。

ここに書いた内容は2026年9月時点の一般的な整理です。契約の範囲や進め方は事務所によって異なります。実際の分担は、担当の税理士と決めてください。

出典税理士の費用は毎月いくらかかる?顧問料の相場や安く抑えるポイントを解説 | 会社設立の基礎知識 – 小谷野税理士法人 (小谷野税理士法人/2026年9月2日確認)

決算の1か月前に、着地を聞いてください

今期はいくらの利益になりそうか、税金はいくらか。この時点なら、まだ打てる手があります。決算が終わってから聞いても、できることはありません。

経理を任せても、売上、利益、現金、売掛金の4つは自分で見てください。個人事業主のときは通帳の残高で感覚がつかめましたが、法人になると入金と売上のずれが大きくなります。

会社設立の第1期は、毎月の流れを作る期間です。ここで仕組みができれば2期目からは楽になります。分担に迷う部分は、担当の税理士と相談して決めてください。

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個人事業主の会社設立と法人成りについて、国税庁・法務局・日本年金機構などの一次情報を確かめながらまとめています。記事の内容は執筆時点の制度にもとづく一般的な解説です。個別の判断は税理士など専門家と、所管の官庁にご確認ください。

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