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個人事業主が会社設立するときの費用の内訳|株式会社と合同会社で並べる

個人事業主 会社設立 費用 公開 2026年8月26日 最終更新 2026年9月1日 運営者:サイト運営事務局 本文 約6,136字

会社設立にいくらかかるか知りたい方へ

法人成りを考えている個人事業主が、まず気にするのが費用です。いくらかかるのか、株式会社と合同会社でどれだけ違うのか。そこを整理したい方に向けたページです。

会社設立の実費は、法律で下限が決まっている部分と、頼み先で変わる部分に分かれます。 下限が決まっている部分から押さえてください。

一次情報にあたって確かめた金額を並べます。実際の負担を見積もる材料にしてください。

会社設立の費用は2つに分かれる

会社設立の費用は2つに分かれるを表したイラスト
動かせない部分から、押さえます

会社設立にかかるお金は、大きく2つに分かれます。法律で決まっている実費と、誰に頼むかで変わる報酬です。個人事業主が法人成りを考えるときは、まず前者を押さえてください。動かせない部分だからです。

法定の実費には、登録免許税、定款の認証手数料、収入印紙、証明書の交付手数料などがあります。これらは誰が手続きをしても同じ額です。

報酬のほうは、司法書士や行政書士に頼むかどうかで変わります。自分でやれば報酬はかかりませんが、その分の時間を使います。

そして、株式会社と合同会社で法定の実費が大きく違います。この差が、法人成りで合同会社が選ばれる理由のひとつになっています。

会社設立の費用を調べていると、いろいろな金額が出てきて混乱します。それは、この2つを分けずに合算した数字が並んでいるからです。

だから、まず法定の実費だけを見てください。そこが土台になります。個人事業主として自分で手続きをする方も、専門家に頼む方も、この部分は同じです。

そのうえで、頼むかどうかを決めれば、総額が出ます。

以下、項目ごとに金額を確かめていきます。

それから、費用の話をするときに「会社設立0円」といった表現を見かけることがあります。登録免許税は法律で定められた税なので、これがゼロになることはありません。報酬部分をゼロにするサービスや、他の契約とセットにして実質的な負担を下げる仕組みを指していることがほとんどです。中身を確かめてから判断してください。

なお、金額は制度改正で変わることがあるので、実際に会社設立をするときは一次情報でご確認ください。

出典No.7191 登録免許税の税額表 (国税庁/2026年8月26日確認)

登録免許税——下限が決まっています

登録免許税——下限が決まっていますを表したイラスト
株式会社と合同会社で、9万円の差

会社設立でいちばん大きな実費が登録免許税です。国税庁の税額表によれば、株式会社の設立登記は資本金の額の1,000分の7で、15万円に満たないときは申請1件につき15万円とされています。

合同会社は同じ計算で、6万円に満たないときは6万円です。この時点で9万円の差が出ます。

資本金が大きくなると、1,000分の7のほうが上回ります。株式会社なら資本金が約2,143万円を超えたあたりから、15万円を超える計算になります。

個人事業主が法人成りするときの資本金は、消費税の判定を意識して1,000万円未満にすることが多いので、たいていは下限の額で収まります。

なお、特定創業支援等事業の証明を受けた場合には、登録免許税の軽減措置があります。中小企業庁が案内している制度で、要件を満たせば税率が軽減されます。

この軽減を受けるには、市区町村が実施する創業支援の事業を受けて証明を出してもらう必要があります。会社設立の前に、お住まいの自治体に問い合わせてみてください。

時間はかかりますが、株式会社なら数万円の差になります。法人成りの日程に余裕があるなら、検討する価値があります。

この税は、登記を申請するときに納めます。収入印紙で納付するのが一般的です。

軽減措置を使う場合、証明を受けるまでに時間がかかります。市区町村の創業支援の事業に参加して、一定の期間の支援を受けたうえで証明を出してもらう流れになるためです。法人成りの日程が決まっている場合は間に合わないこともあるので、早めに問い合わせてください。

個人事業主として開業したときには、こうした税はかかりませんでした。会社設立との大きな違いです。

出典No.7191 登録免許税の税額表 (国税庁/2026年8月26日確認)

定款認証——株式会社だけにかかります

定款認証——株式会社だけにかかりますを表したイラスト
株式会社だけにかかる費用です

株式会社を設立するには、定款を公証人に認証してもらう必要があります。日本公証人連合会の案内によれば、手数料は資本金等の額に応じて区分されています。

資本金等の額が100万円未満は3万円、100万円以上300万円未満は4万円、それ以外は5万円という区分です。加えて、一定の要件を満たす場合には1万5,000円という区分もあります。

この1万5,000円の区分には条件があります。資本金等が100万円未満で、発起人が全員自然人かつ3人以下であること、発起人が設立時発行株式の全部を引き受ける旨の記載があることなどです。

個人事業主がひとりで法人成りする場合、この条件に当てはまることがあります。会社設立の費用を抑えたいなら、資本金の額と合わせて検討してみてください。

合同会社には定款の認証がありません。この差も、法人成りで合同会社が選ばれる理由のひとつです。

そのほか、定款の謄本の交付手数料がかかります。1枚あたりの単価で計算されるので、定款の枚数によって変わります。

紙の定款には収入印紙4万円が必要です。電子定款にすればこれはかかりませんが、電子署名の環境が要ります。

個人事業主が自分で電子定款を作るには機器と手間がかかるので、専門家に頼むと結果的に安く済むこともあります。

定款の内容そのものにも、あとから効いてくる部分があります。事業年度、事業目的、機関設計。認証を受けたあとで変えるには手続きが要るので、費用の話とあわせて中身も詰めておいてください。

会社設立の費用を比べるときは、この印紙代の有無まで含めて見てください。

出典会社の定款手数料の改定 (日本公証人連合会/2026年8月26日確認)

実費を並べて比べる

実費を並べて比べるを表したイラスト
株式会社で20万円前後、合同会社で10万円前後

ここまでの実費を、最低額で並べてみます。個人事業主が法人成りするときの、いちばん安い場合の目安です。

会社設立の法定実費(最低額の場合)
実費だけを並べた図です。電子定款なら印紙代はかかりません

株式会社は最低でも16万円台、合同会社は6万円台。この差が会社設立の入口の費用になります。

ここに印鑑の作成費用が加わります。実印、銀行印、角印の3本で、材質にもよりますが1万円から3万円程度が目安です。

登記事項証明書と印鑑証明書の交付手数料もかかります。法務省が定める手数料で、書面請求とオンライン請求で額が違います。会社設立の直後は数通必要になるので、まとめて取ることになります。

これらを足すと、株式会社で20万円前後、合同会社で10万円前後というのが実費の目安になります。

個人事業主として開業したときは、開業届を出すだけで費用はゼロでした。会社設立との差は、ここではっきり出ます。

なお、会社設立の実費は開業費や創立費として法人の費用に計上できます。設立の準備にかかった費用も、要件を満たせば法人側で処理できるので、領収書は捨てずに残しておいてください。

ただし、この費用は一度きりです。法人成りの判断では、毎年かかる維持費のほうが重く効いてきます。

出典Q3. 定款の認証に要する費用、株式会社設立の費用等はいくらですか。 (日本公証人連合会/2026年8月26日確認)

専門家に頼む場合の費用

専門家に頼む場合の費用を表したイラスト
印紙代の差引きで見ると、差は小さくなります

会社設立の手続きを専門家に頼む場合、報酬が加わります。登記は司法書士、定款の作成は行政書士が扱う業務です。

報酬の額は事務所によって幅があります。数万円から10万円程度というのがひとつの目安ですが、依頼する範囲によって変わります。

ここで効いてくるのが電子定款です。専門家に頼めば電子定款で作ってもらえるので、紙の定款に必要な収入印紙4万円がかかりません。

つまり、報酬が4万円程度なら実質的な負担はほとんど変わらない計算になります。会社設立の費用を比べるときは、この点を忘れないでください。

自分でやる場合は、その4万円を節約するために電子署名の環境を用意することになります。機器の費用と手間を考えると、個人事業主がひとりで会社設立をするなら頼んだほうが早いことも多くなります。

それから、時間の費用もあります。本業を止めて手続きに時間を使うなら、その分の機会損失も考えてください。

法人成りの手続きは登記だけではありません。設立後の届出、社会保険、名義変更。全部を自分でやると、相当な時間になります。

どこまでを自分でやり、どこからを頼むか。会社設立の前に決めておいてください。

会社設立の代行を掲げるサービスのなかには、会計ソフトの契約や顧問契約とセットになっているものもあります。単体の金額だけでなく、その後にかかる費用まで含めて比べてください。

個人事業主として本業が動いている状態での法人成りなら、本業を止めない段取りを優先するのも合理的です。

出典会社設立の手続きを司法書士へ依頼するには?委託できる範囲や費用を解説 (freee/2026年8月26日確認)

会社設立そのものより、法人成りしたあとの設計で差がつきます

個人事業主のうちに決めておくこと(役員報酬・決算期・社会保険の入り方)は、あとから直すと手間もお金もかかります。法人成りの前後をまとめて見てくれる相手に、いちど当ててみるのが早道です。

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資本金は費用ではない

資本金は費用ではないを表したイラスト
費用ではなく、会社のお金になります

会社設立の費用を数えるときに、資本金を費用として数える方がいます。しかし資本金は費用ではありません。会社のお金になるだけです。

個人事業主が自分の資金を会社に移す形なので、財布が変わるだけです。そのお金は運転資金として使えます。

ただし、会社のお金になった以上、個人が自由に使うことはできません。この点で、手元の自由なお金は減ります。

資本金の額は、消費税の判定にも関わります。国税庁の説明では、事業年度開始の日における資本金の額が1,000万円以上である新設法人は、基準期間がない事業年度でも納税義務が免除されません。

法人成りで免税期間を意識するなら、1,000万円未満にしておく必要があります。

また、資本金の額は登録免許税の計算にも使われます。資本金が大きいほど登録免許税も増えるので、会社設立の実費にも影響します。

それから、許認可の要件に資本金の額が入っている業種もあります。建設業や人材派遣など、財産的基礎を求められる業種です。

個人事業主として許認可を持っている方は、法人成りの前に要件を確かめてください。

それから、資本金が少なすぎると取引先や金融機関からの見え方に影響することもあります。会社設立の直後は決算書がないので、資本金の額が判断材料のひとつになります。極端に小さくするのも考えものです。

資本金は費用ではありませんが、決め方には制約があるということです。

出典資本金とは?会社設立時はいくらに設定すべき?最低金額や決め方、払込時期などを解説 (マネーフォワード/2026年8月26日確認)

会社設立の費用と、法人成りの判断

会社設立の費用と、法人成りの判断を表したイラスト
判断を分けるのは、毎年の維持費です

会社設立の実費は、株式会社で20万円前後、合同会社で10万円前後。専門家に頼めばそこに報酬が加わります。

この金額は、法人成りの判断ではそれほど大きな要素になりません。一度きりだからです。

判断を分けるのは、毎年かかる維持費のほうです。法人住民税の均等割、税理士報酬、社会保険の会社負担。これらは事業を続ける限り毎年出ていきます。

均等割は標準税率で年7万円が下限の目安、税理士報酬は年30万円前後、社会保険の会社負担は役員報酬の額に応じて。合計すると年90万円前後になることもあります。

つまり、会社設立の実費は1年目の維持費より小さいということです。個人事業主が法人成りを検討するときは、こちらを主に見てください。

「会社設立にいくらかかるか」という問いは、実は判断の中心ではありません。「法人成りしたあと毎年いくらかかるか」のほうが重要です。

それでも入口の費用を知っておく意味はあります。手元の資金から出ていく額なので、資金計画には必要です。

会社設立の直後は、実費に加えて印鑑や名義変更の費用も出ていきます。個人事業主として手元の資金が薄い時期に重なると苦しくなります。

法人成りの日程を組むときに、この出費の時期も見ておいてください。

出典会社設立でかかる維持費や年間費用は? (マネーフォワード/2026年8月26日確認)

費用を抑える方法

費用を抑える方法を表したイラスト
時間との引き換えで考えてください

会社設立の費用を抑える方法をいくつか挙げます。ただし、どれも時間や手間との引き換えです。

会社設立の費用を抑える方法
上から順に、効果の大きいものです

いちばん効果が大きいのが、合同会社を選ぶことです。ただし、株式会社と合同会社では対外的な見え方や機関の仕組みが違うので、費用だけで決めないでください。

特定創業支援等事業の証明は、市区町村の創業支援を受けることで取得できます。時間はかかりますが、株式会社なら数万円の効果があります。

自分で手続きをすれば報酬はかかりませんが、電子定款の環境がなければ印紙代4万円がかかります。差引きで考えてください。

個人事業主として本業が忙しいなら、費用より時間を優先する判断もあります。

会社設立の費用を数万円抑えるために本業を数日止めるなら、その判断が正しいかを考えてみてください。

出典会社設立の費用・税金を半額にする方法(特定創業支援事業による支援を受けたことの証明) (司法書士おおざわ事務所/2026年8月26日確認)

まとめ|実費は決まっている。差は会社の種類で出る

まとめ|実費は決まっている。差は会社の種類で出るを表したイラスト
実費より、維持費を見てください

会社設立の費用は、法律で下限が決まっている実費と、頼み先で変わる報酬に分かれます。まず実費を押さえてください。

登録免許税は株式会社が最低15万円、合同会社が最低6万円。定款認証は株式会社だけにかかります。この差が、法人成りで合同会社が選ばれる理由のひとつです。

  • 株式会社実費で20万円前後。定款認証がかかります
  • 合同会社実費で10万円前後。定款認証は不要です
  • 専門家の報酬電子定款の印紙代4万円と差引きで見ます
  • 資本金費用ではありません。ただし消費税と登録免許税に影響します

会社設立の実費は一度きりです。法人成りの判断では、毎年かかる維持費のほうがはるかに重く効いてきます。

費用を抑える方法もありますが、どれも時間との引き換えです。個人事業主として本業が動いているなら、時間を優先する判断も合理的です。

金額は制度改正で変わることがあります。実際に会社設立をするときは、一次情報でご確認ください。

出典小規模企業支援 | 中小企業庁 (中小企業庁/2026年8月26日確認)

実費と維持費を、分けて数えてみてください

会社設立の実費は、株式会社で20万円前後、合同会社で10万円前後。一度きりの費用です。それとは別に、法人成りしたあと毎年かかる維持費を数えてください。判断を分けるのはそちらです。

特定創業支援等事業の証明を受けると、登録免許税の軽減措置が使えます。時間はかかりますが、株式会社なら数万円の効果があります。お住まいの自治体に問い合わせてみてください。

金額は制度改正で変わります。この記事の内容も執筆時点のものなので、実際に会社設立をするときは国税庁や法務省の案内でご確認ください。

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個人事業主の会社設立と法人成りについて、国税庁・法務局・日本年金機構などの一次情報を確かめながらまとめています。記事の内容は執筆時点の制度にもとづく一般的な解説です。個別の判断は税理士など専門家と、所管の官庁にご確認ください。

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この記事のテーマで実際に検索して出てきたサイトを並べました。並び順に優劣の意味はありません。個人事業主の会社設立や法人成りの扱いは、書き手によって前提の置き方が違います。数字は必ず一次情報でも確かめてください。

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