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法人成りの手続き一覧|個人事業主が会社設立でやることを、出す先ごとに並べる

個人事業主 法人成り 手続き 公開 2026年8月25日 最終更新 2026年9月1日 運営者:サイト運営事務局 本文 約6,544字

何をどこに出すのか整理したい方へ

会社設立の手続きを調べると、書類の名前がたくさん出てきて頭が混乱する。どれが自分に必要で、どこに出すのかが分からない。そういう個人事業主の方に向けたページです。

この記事では、提出先ごとに整理します。 法務局、税務署、都道府県と市町村、年金事務所、労働保険の窓口。出す先で分ければ、頭の中も整理されます。

そのうえで、個人事業主としての側で出すものも並べます。法人側だけを見ていると、こちらが抜けます。

提出先は最大で7か所になる

提出先は最大で7か所になるを表したイラスト
出す先で分けると、頭が整理されます

会社設立に伴う手続きの提出先を数えると、最大で7か所になります。法務局、税務署、都道府県、市町村、年金事務所、労働基準監督署、ハローワークです。

ただし、全員が7か所すべてに出すわけではありません。従業員を雇っていなければ労働保険の窓口は関係ありませんし、個人事業主としての事業を完全にはたたまないなら廃業の届出も変わります。

大事なのは、自分に必要なものだけを選び出すことです。一覧を眺めて全部やろうとすると、途中で疲れます。

整理の順番としては、まず法人側と個人側に分けます。次にそれぞれを提出先ごとに分けます。最後に期限の短い順に並べ替えます。この3段階で、やることがはっきりします。

手続きを整理する順番
一覧を眺めるだけでは、自分に必要な分が見えません

以下、提出先ごとに見ていきます。自分に当てはまるものに印をつけながら読んでみてください。

なお、許認可が必要な事業の場合は、これに加えて所管の窓口への手続きがあります。業種によって扱いがまったく違うので、この記事では触れず、別のカテゴリーで扱います。

それから、期限は書類ごとに違います。5日以内のものもあれば、確定申告期限までのものもあります。この差が事故のもとになります。

法人成りは、書類を出す作業の集まりです。ひとつひとつは難しくありませんが、数が多く、期限がばらばらで、出す先も分かれている。だから混乱します。会社設立を難しく感じる原因のほとんどは、この整理がついていないことにあります。

会社設立の日程を組むときは、期限の短いものから先に押さえてください。

出典商業・法人登記申請手続 (法務局/2026年8月26日確認)

法務局|登記の申請

法務局|登記の申請を表したイラスト
登記の完了が、すべての起点です

最初の提出先が法務局です。設立登記を申請することで、会社が成立します。会社の成立日は登記が完了した日ではなく、申請した日です。

提出する書類は、機関設計によって変わります。法務局は申請書の様式を公開していて、取締役会を置かない会社の発起設立、合同会社の設立など、型ごとに雛形が用意されています。

個人事業主がひとりで法人成りする場合は、たいてい取締役1名の一番簡素な型に当てはまります。設立登記申請書、定款、就任承諾書、払込みがあったことを証する書面などが基本です。

株式会社の場合は、その前に公証役場での定款認証があります。合同会社には認証が不要なので、この段階を飛ばせます。

登記が完了すると、登記事項証明書と印鑑証明書が取れるようになります。以降の手続きのほとんどが、この2つを求めてきます。

だから、登記の完了がすべての起点になります。ここが終わらないと、税務署も年金事務所も動けません。

完了までにかかる期間は、法務局の混み具合によりますが1週間から2週間程度みておくと安全です。会社設立の日程はここから逆算してください。

登記事項証明書は数通まとめて取っておくと動きやすくなります。オンラインでの交付請求もできて、窓口へ行くより手数料が安く済む場合があります。

法人成りの場合、この登記の段階までは個人事業主としての事業がそのまま動いています。会社設立の登記が終わってから個人側の店じまいに入るので、二重に見える期間が生じます。

印鑑の提出については、オンライン申請の場合は任意とされています。実務では法人の実印を作って提出することが多いところです。

出典商業・法人登記の申請書様式 (法務局/2026年8月26日確認)

税務署|法人側に出すもの

税務署|法人側に出すものを表したイラスト
期限がばらばらなので、一覧にします

登記が完了したら、税務署に法人としての届出をします。基本になるのが法人設立届出書です。

国税庁の資料では、法人設立届出書の提出期限は設立の日以後2か月以内とされています。登記事項証明書などを添えて提出します。

あわせて出したいのが、青色申告の承認申請書です。設立第1期については、設立の日以後3か月を経過した日と設立第1期末のいずれか早い日の前日までとされています。

この申請を忘れると、青色申告の特典が1年遅れます。欠損金の繰越しにも関わるので、法人成りしたらまずこの1枚と覚えておくくらいでちょうどよいです。

給与を払うなら、給与支払事務所等の開設届出書も必要です。国税庁の手続案内では、開設の事実があった日から1か月以内とされています。

源泉所得税の納期の特例を使いたい場合は、その申請書も出します。毎月の納付を年2回にまとめられるので、一人社長の会社では出しておく価値があります。

消費税に関する届出は、状況によって変わります。課税事業者になる選択をするなら届出が必要ですし、簡易課税を使うなら別の届出が要ります。

インボイスの登録をするなら、登録申請書も税務署に出します。会社設立をした法人には登録時期の特例があるので、時期を確かめてください。

個人事業主が法人成りする場合、税務署には法人としての届出と個人としての届出の両方を出すことになります。同じ税務署に、立場を変えて2種類の書類を出す形です。会社設立の直後は、この二重構造が分かりにくくなります。

税務署に出すものは数が多いので、一覧にして順に片づけるのが確実です。

出典No.5100 新設法人の届出書類 (国税庁/2026年8月26日確認)

都道府県と市町村|地方税の届出

都道府県と市町村|地方税の届出を表したイラスト
税務署に出しても、自治体には届きません

忘れられやすいのが、都道府県と市町村への届出です。法人住民税と法人事業税は地方税なので、税務署とは別に手続きが必要になります。

提出するのは法人設立届出書ですが、税務署に出すものとは別の書類です。都道府県税事務所と市町村の窓口にそれぞれ出します。

提出期限は自治体によって違います。設立の日から1か月以内としているところもあれば、別の期間を定めているところもあります。必ずお住まいの自治体の案内で確認してください。

東京23区の場合は、都税事務所への届出だけで済むことがあります。区に別途出す必要がない仕組みになっているためです。地域によって扱いが違うので、ここも確かめてください。

この届出をしないと、法人住民税の均等割の通知が届かないことがあります。納めるべき税が納められない状態になるので、必ず出してください。

個人事業主のときは、個人事業税の申告は確定申告をすれば別途不要という扱いでした。法人成りすると、この関係が変わります。

それから、個人事業主としての事業を廃止する場合は、個人事業税についての手続きも都道府県で行うことになります。こちらも忘れないでください。

自治体の手続きは、税務署ほど情報がまとまっていないことがあります。分からなければ電話で聞くのが早道です。

法人成りをした年は、個人事業税と法人事業税の両方が関わることになります。個人としての事業を廃止した分と、会社設立後の法人としての分。年度をまたいで通知が来るので、届いた書類は捨てずに取っておいてください。

会社設立の届出まわりで抜けやすいのは、この自治体の分です。

出典地方税制度|法人住民税 (総務省/2026年8月26日確認)

年金事務所|社会保険の手続き

年金事務所|社会保険の手続きを表したイラスト
5日以内。準備は事前にできます

会社設立に伴う手続きのなかで、いちばん期限が短いのが年金事務所への届出です。日本年金機構は、新規適用届の提出時期を事実発生から5日以内としています。

法人はすべて厚生年金保険・健康保険の適用事業所になります。事業主のみの場合も含まれるので、一人社長の会社でも必要です。

新規適用届に加えて、被保険者資格取得届を出します。従業員がいれば人数分、扶養している家族がいれば被扶養者の届出も必要です。

添付書類として法人登記簿謄本などが求められるので、登記の完了を待って動くことになります。5日という期限は登記完了からではなく事実発生からなので、実務では登記完了後すぐに動く形になります。

あわせて、個人事業主としての国民健康保険の資格喪失手続きも必要です。こちらは市区町村の窓口です。

2つの手続きの時期がずれると、保険料の二重払いや無保険の期間が生じます。会社設立の日程を組むときに、両方を並べて確認してください。

個人事業主として社会保険の適用事業所だった場合は、その事業所の全喪の手続きも必要になります。

書類は事前に用意できるので、登記を申請した時点で準備を始めてください。

法人成りに伴う届出のなかで、この5日以内だけが飛び抜けて短い期限です。会社設立の日程を組むときに、ここだけは必ずカレンダーに書き込んでおいてください。

不安があれば、年金事務所に事前相談に行くと確実です。

出典新規適用の手続き (日本年金機構/2026年8月26日確認)

会社設立そのものより、法人成りしたあとの設計で差がつきます

個人事業主のうちに決めておくこと(役員報酬・決算期・社会保険の入り方)は、あとから直すと手間もお金もかかります。法人成りの前後をまとめて見てくれる相手に、いちど当ててみるのが早道です。

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労働保険の窓口|人を雇っている場合

労働保険の窓口|人を雇っている場合を表したイラスト
人を雇っていなければ、関係ありません

従業員を雇っている場合は、労働保険の手続きもあります。労災保険は労働基準監督署、雇用保険はハローワークが窓口です。

社会保険とは別の制度なので、年金事務所への届出とは別に手続きが必要になります。窓口も書類も違います。

個人事業主として人を雇っていれば、すでに労働保険には加入しているはずです。会社設立をすると事業主が個人から法人に変わるので、その変更や新規の成立といった手続きが要ります。

雇用保険については、従業員の被保険者番号は引き継がれます。ただし事業所としての手続きは別に必要です。

この手続きを忘れると、従業員の雇用保険の記録が途切れることがあります。失業給付や育児休業給付に影響するので、確実に処理してください。

ひとりで会社設立をする場合は、この窓口は関係ありません。従業員を雇った時点で必要になります。

将来人を雇う予定があるなら、その時に何が要るかだけ知っておけば足ります。

人数が多い場合は、社労士に頼むことも検討してください。社会保険と労働保険をまとめて依頼できます。

法人成りをして人を雇い続ける場合、労働保険の年度更新という毎年の手続きも続きます。会社設立の直後だけでなく、その後も続く事務があるという点は押さえておいてください。

会社設立の直後は手続きが集中するので、外に出せるものは出すという判断もあります。

出典A2-7 給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出 (国税庁/2026年8月26日確認)

個人事業主としての側で出すもの

個人事業主としての側で出すものを表したイラスト
法人側と個人側で、一組です

ここまで法人側の手続きを見てきましたが、個人事業主としての側にも出すものがあります。ここが抜けると、翌年に個人と法人の両方で申告を求められることになります。

基本になるのが、個人事業の開業・廃業等届出書です。国税庁の手続案内では、提出時期はその事実があった日の属する年分の確定申告期限までとされています。

青色申告をしていたなら、所得税の青色申告の取りやめ届出書も出します。こちらも取りやめようとする年分の確定申告期限までとされています。

給与を払っていたなら、給与支払事務所等の廃止届出書が必要です。国税庁の手続案内では、事実があった日から1か月以内とされています。

消費税の課税事業者だったなら、事業廃止届出書を出します。提出時期は「事由が生じた場合、速やかに」とされています。

書類ごとに期限の考え方が違うことに注意してください。確定申告期限までのものもあれば、1か月以内のものも、速やかにとされているものもあります。

それから、予定納税をしていた場合は、減額申請ができることがあります。法人成りで個人の所得が減るなら、検討する価値があります。

個人事業税についての手続きも、都道府県の窓口で行うことになります。

法人成りの手続きで抜けやすいのは、この個人側です。会社設立の登記が終わると達成感があるので、そこで手が止まってしまうことがあります。個人としての締めまでが一組だと考えてください。

なお、事業を一部だけ法人に移す場合は、廃業届が不要になることもあります。自分の残し方を先に決めてから、書類を選んでください。

出典A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続 (国税庁/2026年8月26日確認)

提出先ごとの一覧にまとめる

提出先ごとの一覧にまとめるを表したイラスト
印をつければ、自分の分が見えます

ここまでの内容を一覧にまとめます。自分に当てはまるものに印をつけて使ってください。

提出先ごとの手続き一覧
提出先 主な書類 期限の目安
法務局 設立登記申請書ほか 定款・払込みがそろってから
税務署(法人) 法人設立届出書 設立の日以後2か月以内
税務署(法人) 青色申告の承認申請書 第1期は早いほうの日の前日まで
税務署(法人) 給与支払事務所等の開設届出書 1か月以内
都道府県・市町村 法人設立届出書 自治体ごとに異なる
年金事務所 新規適用届・資格取得届 事実発生から5日以内
労基署・ハローワーク 労働保険の手続き 人を雇っている場合
税務署(個人) 個人事業の開業・廃業等届出書 確定申告期限まで
税務署(個人) 青色申告の取りやめ届出書 確定申告期限まで
税務署(個人) 給与支払事務所等の廃止届出書 1か月以内
税務署(個人) 事業廃止届出書(消費税) 速やかに

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該当しないものは出す必要がありません。期限は国税庁・日本年金機構の手続案内および自治体の案内にもとづきます。自治体の期限は必ずお住まいの窓口でご確認ください。

この表を印刷して、自分に当てはまる行にチェックを入れてください。それが会社設立でやることの全体像になります。

期限の短い順に並べ替えると、年金事務所の5日以内がいちばん上に来ます。次が1か月以内の届出、そのあとが2か月以内、最後が確定申告期限までのものです。

個人事業主として本業を回しながらこれをやるので、優先順位をつけないと回りません。

外に出せるものは専門家に出すという判断もあります。司法書士に登記を、社労士に社会保険を、税理士に税務署の届出を。

すべてを自分でやることもできますが、会社設立の直後は本業も動いています。無理のない範囲で進めてください。

出典No.2090 新たに事業を始めたときの届出など (国税庁/2026年8月26日確認)

まとめ|提出先で分けて、期限で並べる

まとめ|提出先で分けて、期限で並べるを表したイラスト
整理すれば、順に片づきます

会社設立に伴う手続きは、提出先で分けると整理できます。法務局、税務署、都道府県と市町村、年金事務所、労働保険の窓口。そして個人事業主としての側の手続き。

すべての起点は登記の完了です。登記事項証明書と印鑑証明書が取れるようになって、はじめて他の手続きが進みます。

  • いちばん急ぐ年金事務所への新規適用届。事実発生から5日以内
  • 抜けやすい都道府県と市町村への届出。税務署に出しても届きません
  • 忘れやすい個人事業主としての廃業まわりの手続き
  • 期限の差5日以内・1か月以内・2か月以内・確定申告期限まで

整理の順番は、法人と個人に分ける、提出先で分ける、期限で並べる、自分の分を選ぶ。この4段階です。

一覧を眺めるだけでは自分の分は見えません。印をつけて、自分に必要なものだけを抜き出してください。

個人事業主として本業を回しながらの作業になるので、外に出せるものは専門家に頼むという判断もあります。

出典小規模企業支援 | 中小企業庁 (中小企業庁/2026年8月26日確認)

一覧に印をつけて、カレンダーに書き込んでください

この記事の一覧から、自分に当てはまる行を抜き出してください。それが会社設立でやることの全部です。全員が全部をやるわけではありません。

抜き出したら、期限の短い順に並べてカレンダーに書き込んでください。年金事務所の5日以内がいちばん先に来ます。

個人事業主としての側の手続きも忘れずに。法人側だけを見ていると、翌年に個人と法人の両方で申告を求められることになります。

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個人事業主の会社設立と法人成りについて、国税庁・法務局・日本年金機構などの一次情報を確かめながらまとめています。記事の内容は執筆時点の制度にもとづく一般的な解説です。個別の判断は税理士など専門家と、所管の官庁にご確認ください。

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