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会社設立の直後30日でやること|個人事業主が法人成りしたあとの日程表

個人事業主 法人成り 手続き 公開 2026年8月25日 最終更新 2026年9月1日 運営者:サイト運営事務局 本文 約6,428字

登記が終わったあとの動き方を知りたい方へ

会社設立の登記が完了した。さて、ここから何をどの順番でやればいいのか。そこで手が止まってしまう個人事業主の方に向けたページです。

登記完了からの30日が、法人成りでいちばん忙しい時期です。 期限の短い届出が集中し、法人口座の開設も名義変更も同時に動きます。

この記事では、その30日を日程表の形で並べます。順番どおりに進めれば、抜けは出ません。

最初の3日|登記事項証明書と印鑑証明書を取る

最初の3日|登記事項証明書と印鑑証明書を取るを表したイラスト
ここが遅れると、全部が止まります

登記が完了したら、まず登記事項証明書と印鑑証明書を取りに行きます。これから始まる手続きのほぼすべてが、この2つを求めてくるからです。

年金事務所への届出、法人口座の開設、取引先への提出、リース会社への提出。使う場面が多いので、数通まとめて取っておくと動きやすくなります。

法務省はオンラインでの交付請求も案内していて、窓口へ行くより手数料が安く済む場合があります。会社設立の直後は何度も必要になるので、オンラインの手続きを覚えておくと便利です。

印鑑証明書を取るには、あらかじめ印鑑の提出をしておく必要があります。オンライン申請の場合は任意とされていますが、実務では法人の実印を作って提出することが多いところです。

この段階で、法人の印鑑一式がそろっているかも確かめてください。実印、銀行印、角印。角印は請求書に押すので、法人成りの直後から使います。

個人事業主のときの屋号印は、法人の書類には使えません。会社設立のときに印章を作っていない場合は、ここで急いで作ることになります。

証明書には有効期限のような扱いがあります。提出先によっては発行から3か月以内のものを求められるので、取りだめしすぎても使えなくなります。

必要な枚数の見当がつかないなら、まず5通ほど取って様子を見てください。

個人事業主のときは、こうした証明書を求められる場面がほとんどありませんでした。会社設立をすると、相手はまず登記された内容を確かめようとします。証明書を出す機会が増えるのは、法人になったということの分かりやすい表れです。

ここが遅れると、あとの手続きが全部止まります。最優先で動いてください。

出典オンラインによる登記事項証明書及び印鑑証明書の交付請求について(商業・法人関係) (法務省/2026年8月26日確認)

5日以内|年金事務所への届出

5日以内|年金事務所への届出を表したイラスト
書類を先に用意しておけば、間に合います

会社設立に伴う届出のなかで、いちばん期限が短いのが年金事務所への新規適用届です。日本年金機構は、提出時期を事実発生から5日以内としています。

法人はすべて厚生年金保険・健康保険の適用事業所になります。事業主のみの場合も含まれるので、一人社長の会社でも必要です。

新規適用届に加えて、被保険者資格取得届を出します。従業員がいれば人数分、扶養している家族がいれば被扶養者の届出も必要です。

添付書類として法人登記簿謄本などが求められるので、証明書を取ってから動くことになります。書類の記入自体は事前にできるので、登記を申請した時点で準備しておいてください。

あわせて、個人事業主としての国民健康保険の資格喪失手続きも必要です。市区町村の窓口で行います。健康保険の資格取得を証明する書類を求められることが多いので、順番に注意してください。

この2つの時期がずれると、保険料の二重払いや無保険の期間が生じます。法人成りの日程を組むときに、両方を並べて確認してください。

5日という期限は厳しく見えますが、書類さえ用意しておけば窓口での手続きは短時間で終わります。

期限を過ぎても手続きはできますが、加入は会社設立の日に遡るので保険料も遡って発生します。放置しないでください。

個人事業主として国民健康保険に入っていた期間の保険料は、会社設立の月によって精算のされ方が変わります。市区町村に確かめて、どこまでが個人分なのかをはっきりさせておいてください。

不安があれば、事前に年金事務所へ相談に行くと確実です。

出典新規適用の手続き (日本年金機構/2026年8月26日確認)

1週目〜2週目|法人口座の開設を申し込む

1週目〜2週目|法人口座の開設を申し込むを表したイラスト
いちばん時間がかかる手続きです

法人口座の開設は、登記事項証明書が取れてから申し込みます。審査があるので、申し込んでから開設まで数日から数週間かかります。

会社設立の直後にいちばん時間を食うのがここです。口座がないと入金を受けられないので、取引に影響します。早く申し込むほど早く開きます。

求められる書類は金融機関によって違いますが、登記事項証明書、会社の印鑑証明書、代表者の本人確認書類、定款の写し、事業内容が分かる資料といったところが基本です。

個人事業主としての取引実績を示す資料があると、審査が通りやすくなることがあります。取引先との契約書や、これまでの請求書の控えなどです。

設立したばかりの法人は実績がないため、事業の実態を説明する必要があります。何をしている会社なのかが伝わる資料を用意してください。

複数の金融機関に同時に申し込む方もいます。1行だけだと通らなかったときに時間を失うので、事業に支障が出そうなら並行して動くのも手です。

口座が開くまでの間、資本金を払い込んだ発起人個人の口座で入金を受けることになる場合があります。あとで法人に移す処理が必要なので、記録を丁寧に残してください。

法人成りの日程を逆算するときは、この口座開設をいちばん奥に置いてください。登記の完了ではなく、口座が開くまでを見込むのが実務的です。

個人事業主のときの事業用口座は、法人口座が開いたあとも当面は残しておくほうが安全です。会社設立の前に発生した売掛金の入金が、そちらに届くことがあるからです。

取引先への振込先の案内は、口座が開いてから出します。

出典法人口座開設の方法まとめ!必要書類や金融機関の選び方を解説 (freee/2026年8月26日確認)

2週目|税務署への届出をまとめて出す

2週目|税務署への届出をまとめて出すを表したイラスト
期限は先でも、まとめて出すのが確実です

税務署への届出は、期限が比較的先のものが多くなります。法人設立届出書は設立の日以後2か月以内、青色申告の承認申請書は設立第1期については設立の日以後3か月を経過した日と設立第1期末のいずれか早い日の前日までです。

期限が先だからといって後回しにすると、忘れます。証明書が手元にあるうちに、まとめて出してしまうのが確実です。

給与を払うなら、給与支払事務所等の開設届出書も必要です。国税庁の手続案内では、開設の事実があった日から1か月以内とされています。

源泉所得税の納期の特例を使いたい場合は、その申請書も出します。毎月の納付を年2回にまとめられるので、一人社長の会社では出しておく価値があります。

消費税に関する届出は、状況によって変わります。課税事業者になる選択をするなら届出が必要ですし、簡易課税を使うなら別の届出が要ります。

インボイスの登録をするなら、登録申請書も出します。会社設立をした法人には登録時期の特例があるので、時期を確かめてください。

都道府県と市町村への届出も忘れないでください。税務署に出しても自治体には届きません。期限は自治体ごとに違うので、案内で確認してください。

これらを一度にまとめて出すと、1日で片づきます。個人事業主として本業を回しながらなら、この効率が効いてきます。

個人事業主として自分で確定申告をしてきた方なら、税務署の窓口には慣れているはずです。会社設立後の届出も、書類の種類が増えるだけで手続きの流れ自体は変わりません。

税理士に頼んでいる場合は、どこまでを頼むかを確認しておいてください。

出典No.5100 新設法人の届出書類 (国税庁/2026年8月26日確認)

2〜3週目|名義変更を進める

2〜3週目|名義変更を進めるを表したイラスト
お金が動くものから、順に切り替えます

登記が終わったら、個人名義になっているものを法人名義に切り替えていきます。会社設立の直後にまとめてやるのが効率的です。

対象になるのは、取引先との契約、事務所の賃貸借、リース、通信、電気やガス、損害保険、車両、そして許認可。個人事業主として長く続けてきた方ほど数が多くなります。

名義変更の優先順位
上から順に片づけると、事業が止まりません

優先順位は、お金が動くものからです。売上の入金にかかわる契約、事務所の賃料、リース。ここが止まると事業が回らなくなります。

許認可だけは別扱いにしてください。個人の許可が法人に自動で移ることはありません。承継の制度がある業種もあれば、新規に取り直しになる業種もあります。

順番を間違えて先に個人の廃業届を出してしまうと、無許可の期間が生じるおそれがあります。法人成りの手続きでいちばん危険なのがここです。

賃貸借契約は、大家さんや管理会社の承諾が要ります。法人契約に切り替えられるかを、会社設立の前に確かめておくと安心です。

名義変更の作業量は、個人事業主として続けてきた年数に比例します。10年やってきた方なら、契約の数もそれなりになります。会社設立の前に一覧を作っておくと、この段階で慌てずに済みます。

すべてを30日で終わらせる必要はありません。電気やガスの名義は多少遅れても実害が出にくい部類です。

出典オンラインによる登記事項証明書及び印鑑証明書の交付請求について(商業・法人関係) (法務省/2026年8月26日確認)

会社設立そのものより、法人成りしたあとの設計で差がつきます

個人事業主のうちに決めておくこと(役員報酬・決算期・社会保険の入り方)は、あとから直すと手間もお金もかかります。法人成りの前後をまとめて見てくれる相手に、いちど当ててみるのが早道です。

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3週目|取引先への案内を出す

3週目|取引先への案内を出すを表したイラスト
4つの情報を、1枚にまとめて送ります

法人口座が開いたら、取引先への案内を出します。個人事業主から法人成りしたことを伝え、今後の取引の形を確認する連絡です。

伝えることは4つです。法人成りの時期、新しい商号と本店所在地、振込先の法人口座、そして新しいインボイスの登録番号。

インボイスの登録番号は、個人事業主のときのものが法人に引き継がれません。法人として改めて登録申請をした番号を伝えることになります。

請求書の切替日もそろえておいてください。個人名義と法人名義が混ざると、どちらの売上として計上すべきか分からない取引が生まれます。会社設立の日を境にすると決めておけば、判断が一本になります。

取引先が大企業の場合、取引先登録の変更に時間がかかることがあります。法人としての登録が完了するまで支払が止まることもあるので、早めに動いてください。

案内は記録に残る形で送ってください。口頭だけだと、相手の担当者が代わったときに情報が消えます。

契約の名義変更が必要な相手には、そのことも一緒に伝えます。書類のやりとりが発生するので、早いほうが親切です。

1枚の案内文を作っておけば、取引先ごとに使い回せます。会社設立の日程が決まった時点で下書きを始めておくと楽です。

案内を出すときは、これまでどおりの取引が続くことも一言添えてください。会社設立の連絡だけだと、事業の中身が変わったのかと受け取られることがあります。

個人事業主として長く付き合ってきた相手なら、丁寧に伝えれば問題なく引き継がれます。

出典D1-64 適格請求書発行事業者の登録申請手続(国内事業者用) (国税庁/2026年8月26日確認)

4週目|個人事業主としての締めに入る

4週目|個人事業主としての締めに入るを表したイラスト
法人側が落ち着いてから、個人側へ

法人側の手続きが一段落したら、個人事業主としての締めに入ります。会社設立の登記が終わっても、個人としての登録は残ったままだからです。

出すものは、個人事業の開業・廃業等届出書、青色申告をしていたなら取りやめ届出書、給与を払っていたなら給与支払事務所等の廃止届出書、消費税の課税事業者だったなら事業廃止届出書です。

期限は書類ごとに違います。国税庁の手続案内では、開業・廃業等届出書と青色申告の取りやめ届出書はその年分の確定申告期限まで、給与支払事務所等の廃止届出書は1か月以内、事業廃止届出書は速やかにとされています。

つまり、急ぐものと年内でよいものが混ざっています。1か月以内のものと速やかにとされているものを先に片づけてください。

予定納税をしていた場合は、減額申請ができることがあります。法人成りで個人の所得が減るなら、検討する価値があります。

個人事業税についての手続きも、都道府県の窓口で行います。

なお、事業を一部だけ法人に移す場合は、廃業届が不要になることもあります。自分の残し方を先に決めてから書類を選んでください。

許認可がある事業では、承継の手続きが済んでから廃業届を出してください。順番を間違えると許可が失効するおそれがあります。

この段階まで来れば、会社設立の手続きはほぼ終わりです。

出典A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続 (国税庁/2026年8月26日確認)

30日を過ぎたあとに残るもの

30日を過ぎたあとに残るものを表したイラスト
急がないけれど、大事な部分です

30日で期限のある手続きはだいたい片づきます。残るのは、急がないけれど大事なことです。

まず、経理の体制づくりです。会計ソフトを法人用に切り替え、税区分の設定を確かめ、証憑の保存方法を決める。個人事業主のときの運用をそのまま持ち込むと、決算のときに困ります。

次に、役員報酬の見直しです。法人税の扱いでは、事業年度開始の日から3か月以内の改定であれば定期同額給与として扱われる余地があります。会社設立の直後に決めた額を、この期間内に見直せます。

それから、就業規則や各種規程です。出張日当を出すなら旅費規程が要りますし、人を雇うなら就業規則も検討することになります。

印鑑の管理、書類の保管場所、契約書のひな形。こうした細かいことも、法人成りを機に整えておくと後が楽になります。

そして、決算の準備です。第1期の決算月がいつかを確かめて、そこから逆算した予定を立ててください。

会社設立の直後30日は届出に追われますが、そのあとの2か月で体制を作ると、1年目が落ち着いて回ります。

個人事業主として自分で回してきた方なら、何を整えればよいかの見当はつくはずです。

ここで手を抜くと、決算のときにまとめて苦労します。

出典No.5100 新設法人の届出書類 (国税庁/2026年8月26日確認)

まとめ|30日の日程表を作ってから動く

まとめ|30日の日程表を作ってから動くを表したイラスト
紙に落として、チェックしていきます

会社設立の登記が完了してからの30日が、法人成りでいちばん忙しい時期です。順番を決めておけば、抜けずに進められます。

起点は登記事項証明書と印鑑証明書の取得です。ここが遅れると、あとの手続きが全部止まります。

  • 1〜3日目証明書を数通取る。法人の印鑑一式も確認
  • 5日以内年金事務所へ新規適用届。国民健康保険の喪失も
  • 1〜2週目法人口座の開設を申し込む。いちばん時間がかかります
  • 2週目税務署と自治体への届出をまとめて出す
  • 2〜3週目名義変更を進める。お金が動くものから
  • 3週目取引先へ案内を出す。4つの情報を1枚に
  • 4週目個人事業主としての締めに入る
  • その後経理の体制づくりと役員報酬の見直し

この日程表を紙に落として、済んだものにチェックを入れていってください。会社設立の直後は本業も動いているので、頭の中だけで管理すると必ず漏れます。

許認可がある事業では、個人の廃業届を出す前に所管の窓口へ相談してください。順番を間違えると事業が止まります。

30日を越えれば、あとは体制づくりです。そこまで来れば、法人としての運転が始まります。

出典小規模企業支援 | 中小企業庁 (中小企業庁/2026年8月26日確認)

30日の日程表を、紙に書き出してください

証明書の取得、社会保険の5日以内、法人口座、税務署と自治体、名義変更、取引先への案内、個人側の締め。この順番を紙に書き出して、済んだものにチェックを入れていってください。

会社設立の直後は本業も動いています。頭の中だけで管理すると必ず漏れるので、目に見える形にしておくのが確実です。

許認可がある事業の方は、個人の廃業届を出す前に所管の窓口へ相談してください。ここだけは順番を間違えると事業が止まります。

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